2009年10月4日日曜日

事例IV出題予想

昨年のリーマンショックに端を発する世界大不況以降、国内では不動産価格や衣料品、食品等物価の下落が凄まじいですね。

このデフレの状況を反映したファイナンス系問題が出るのでは??と勝手に予想します。

つまりデフレ(インフレ)を考慮した名目資本コスト率の計算

設問にすると、「D社の実質資本コスト率は20%であり、一方で年間のデフレ率は-5%である。D社の名目資本コスト率を算出せよ。」

計算方法は簡単です。

名目資本コスト率=実質資本コスト率+デフレ(インフレ)率+実質資本コスト率×デフレ(インフレ)率

この例の場合は、20%-5%+20%×(-5%)=14%

計算は簡単ですが、知らなきゃ解けませんね。

ちなみにデフレ(インフレ)があるときの正味現在価値法の適用方法には、実質資本コスト率を用いる実質アプローチと、名目資本コスト率を用いる名目アプローチがあり、基本的にはどちらの方法を選択しても計算結果は同じになります。

例で示します。

「1年後のキャッシュインが10,000千円として、デフレ率がー5%で、実質資本コスト率が20%の場合の正味現在価値」

実質アプローチの場合:10,000千円÷(120%)=8,333千円
名目アプローチの場合:10,000千円×(100%-5%)÷114%=8,333千円

名目アプローチの場合は、キャッシュインにデフレ率をかけることで、名目金額を算出し、その金額を名目資本コスト率で割り引いています。


注意点が一つあります。

「減価償却による節税額」部分だけは、デフレを考慮しない金額、つまり上記数式で95%をかけずに名目資本コスト率(上記例では114%)で割り引くため、その部分のみは名目アプローチと実質アプローチで正味現在価値の計算結果が異なってしまいます。

なぜなら、節税額のベースとなる減価償却費自体は現時点の価額にもとづいているためデフレ(インフレ)の影響は受けないからなのです。

またまた例で示します。「名目・実質資本コスト率の条件は上記例と同じとして、減価償却による1年後の節税額が2,000千円だった場合の正味現在価値」

実質アプローチの場合:2,000千円÷120%=1,667千円
名目アプローチの場合:2,000千円÷114%=1,754千円

非常に分かりにくい説明で申し訳なかったですが、もし出たら超ラッキーと思って下さい。

2 件のコメント:

まろん さんのコメント...

意思決定会計講義ノートに載っており、本番前にもう一回やろうとおもっていました。十分可能性あるとおもいます。おたがいがんばりましょう。まろん

アックル さんのコメント...

まろんさん、コメントありがとうございます。事例IVは毎年これまで出題のないタイプの問題が出ているようなので、今年も要注意ですね。しかも昨年がかなり難しい問題であり、今年も試験委員が変更なければ難しい可能性は大ですね。

お互い頑張って合格しましょう!